大学入学共通テスト 英語リーディング 対策方法徹底解説【2022年試験の難易度を大胆予想!】

大学入学共通テスト 英語リーディング対策 受験対策
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1.はじめに

 ごきげんよう!椎名まつり(@417matsuri)です。今回の記事では2022年度以降に大学入学共通テストを受験する学生の皆さんとその指導を行う方に向けて、英語リーディングの問題で高得点を取るための必要なスキルと、対策法について書いていきます。

 これまでの記事では第1日程の全体の問題の分析と問題の解答・解説を行っていきました。そして、1月30日・31日に通常の追試験の問題を用いた第2日程の試験が行われ、2022年度の大学入学共通テストを予想するための材料は概ね揃いました。この記事では、過去の記事で紹介した第1日程の分析と第2日程の分析を踏まえた上で、2022年以降の大学入学共通テストで高得点を取るために今何をするべきか書いていきます。

 まだ前回までの記事を読んでいないよという皆さんは、是非以下のリンクの記事を合わせて読んでもらえると、共通テストへの理解度が高まるかと思います!

 以下では共通テストリーディング問題の特徴を再度紹介した後、どのような対策を取れば良いかを、そして来年度の問題の難易度や平均点についての予想をしていきます。

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2.共通テスト英語リーディング問題の特徴

 以前の分析記事でも書きましたが、共通テストのリーディング問題にはいくつかの特徴があります。以下に再度まとめて紹介しますが、今回行われた第2日程でもこれらの特徴についてはあまり変更がありませんでした

<共通テスト 英語リーディングの特徴>

1.「思考力・判断力・表現力」を試す問題が出た

 →複数の情報源を見る必要のある問題、「事実」と「意見」を区別する問題、順序を解答する問題、図表を完成させる問題が出題

2.場面設定がより重要になった

 →リード文で状況が説明されたほか、アメリカ英語だけでなく、イギリス英語も使われるようになった

 それぞれの特徴の詳細については「大学入学共通テスト 英語リーディング徹底分析」の記事を読んで理解して頂いた上で、今回は第2日程の問題を踏まえた上でこれらの問題の特徴がどのように変化したのかを述べていきます。

 第2日程のみの新形式としては、第2問Aで本文のない問題が、第6問Aでは本文の要約を行う問題が出題されましたが、いずれも「思考力・判断力・表現力」を試すのにふさわしい問題であり、全体の特徴としては同じ傾向にあると思われます。

 また、第1日程で特徴として挙げた複数の情報源を見る必要のある問題、「事実」と「意見」を区別する問題、順序を解答する問題、図表を完成させる問題は全て継続して出題され、今後も共通テストリーディング問題の出題の中核となることが予想されます。

 場面設定の重要性についても変わっておらず、特に今回の第2日程では本文のない第2問Aでは与えられた場面をしっかりと理解した上で図表を読み解き、設問に答える必要があったため、重要性が増したとも言えるでしょう。イギリス英語についても第2問A・B、第3問A・Bの4題で変わらず用いられており、多様な英語の表現についても学んでいく必要があることは変わりありません。

 英語の問題については試行調査から一貫した方針で問題が作成されており、来年度以降も同じような特徴を持った問題で、形式についても大きな変更がなく出題されることが想定されます

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3.共通テスト英語リーディング問題への対策法

 共通テストのリーディング問題は国際標準であるCEFRに準拠したこともあり、良問揃いではありますが、残念ながらこれまでのセンター試験や私立・国公立大学入試の問題とはかけ離れた部分が多くなっており、対策が難しい試験になっていることも事実です。これについては、今後の私立大学の入試問題が共通テストを後追いして、類似した形式になる可能性もあるため、注視する必要があります。

 しかし、いずれにせよ現時点では似た形式の問題演習が十分に行うことができず、対策が出来ないということが多くの高校生にとってのネックになっていることは間違いありません。では、こうした前提に基づいてどのような対策を行えばよいのでしょうか。

 まず1つは、各出版社が発行している共通テスト対策の問題集を活用して演習量を底上げすることです。特に、英語については試行調査から大きく形式が変更されなかったため、対策問題集を利用することで共通テストで高得点を取ることが可能になるでしょう。

 オススメの問題集を挙げるとすれば、河合出版が毎年刊行している共通テスト総合問題集」は毎年非常に優れたクオリティであり、オススメすることができる内容になっています。また、高1などで共通テスト形式で易しい問題を必要とする生徒の皆さんや、分野別での対策をしたい方には駿台文庫の「短期攻略 共通テスト 英語リーディング」をオススメします

 そして、9割以上の高得点を狙っている方は是非Z会の問題集に取り組みましょう。本番の試験よりも高い難易度で知られており、高得点を狙っている方にはオススメすることが出来ます。なお、紹介している問題集については試行調査を元に作成されたものが収録されており、試験形式が2021年度の共通テストと一部異なります。ご注意ください。

 基本的にはこうした問題集を解いていく中で共通テスト形式の問題に対応する能力を付けることが可能になりますが、1つ注意しておきたい点があります。これは大学入学共通テスト以前の大学入試センター試験の際に複数回発生した事例ですが、「追試験において新形式が出た際、翌年の本試験でも踏襲される」ということがありました。具体的には2014年追試験では第2問・第3問で、2015年の追試験では第5問で新形式の問題が出題されたのですが、これと同じ形式の問題が翌年である2015年・2016年の本試験でも採用されています。

 そうした意味では、今回の第2日程で出題された第2問Aのような「本文のない形式の問題」や第6問Aで出題された「文章の要約を完成させる問題」が2022年の本試験において出題される可能性は大いにあり得ると考えるべきでしょう。特に、「文章の要約を完成させる問題」は上述した共通テストの特徴である「思考力・判断力・表現力」を問うのに適した形式であり、TOEFLやIELTSといったグローバルスタンダードの英語検定試験でも多く問われているため、CEFRの基準に即したテスト問題を作成するという意味でも今後の出題可能性は高いように思われます。

 こうした問題については上述の問題集で問われることはほとんどありませんが、出題された際に対応できるよう、必ず第2日程の問題についても事前に演習をしておくことを勧めます。また、大手予備校の模試等においてもこうした予想に基づいた出題が行われることが多くあるため、なるべく多くの共通テスト形式の模試を受験し、多くのパターンに対応する能力を高めることが効果的です。

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4.共通テスト英語リーディング問題の難易度・平均点予想

 前回の記事において、共通テストは試行調査において5割を平均点の目標としていたため、平均点はセンター試験時代より低下することが想定されると書きましたが、実際の平均点は58.8点と、センター試験時代より若干上昇しています。これには様々な要因が考えられますが、1つは休校などの影響で十分な問題演習等の対策を行うことのできた受験生が多くいることや、第1問から第3問のうち易しい問題で正答率が非常に高くなったことが要因として想定されます。全体的な読解量こそ増えたものの、細かな文法知識を問う問題がなくなり、文章の大まかな理解が出来れば得点のできる問題も多かったため、中下位の受験生にとっても極端な難化とはなりませんでした

 また、過去の共通一次試験とセンター試験において、実施の初年度は問題の難易度が低く、平均点が高くなる傾向があり、今回の共通テストのリーディング問題においても、試行調査の第5問で出題され、難しいと評された伝記問題の出題が見送られています。そして、共通一次試験とセンター試験において、2年目は初年度の問題よりもかなり難化する傾向が見られました。そのため、共通テストにおいても、2022年度以降はさらなる難易度の上昇、特に読ませる問題量の増加より複雑な思考を要する問題形式の登場などが想定されます

 また、これ以上問題が易化してしまうと入学者の選別を果たすという大学入学共通テストの本来の目的を果たすことが困難になるので、2022年度の共通テストの問題は少なくとも今年度より難化するでしょう。それも、現在6割近い平均点を1割程度押し下げるために、極端に難化する可能性すら否定できません

 その際には問題の分量が大幅に増加し、未知の問題形式が登場してくることが考えられます。まずは速読力を今以上に高め、問題文が長くなっても余裕を持って解き切れるようにしていきましょう。そのためには日頃からの多読と時間制限を厳しくしての問題演習が欠かせません2021年度の共通テストは70分程度、センター試験ならば60分程度で8~9割の得点が取れるようなスピード感があれば十分でしょう。

 また、未知の問題形式に対応するために、他のCEFR形式に対応した英語の外部検定試験のリーディング問題を複数解くことを勧めます。特にGTECやTEAPは高校生の皆さんのレベルに合った検定試験であり、問題形式もCEFR対応のため、一般的な大学受験の英語問題とは毛色が違っておりオススメできます。こうした一見遠回りなような対策を行うことで、未知の問題形式への対応力が上がっていきます

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5.おわりに

 この記事を通して、大学入学共通テストの英語リーディング問題の対策法について理解することができたでしょうか。来年度の話を今からするなんて気が早いと思うかもしれませんが、現在の高校2年生は私立大学や国公立大学の個別入試の対策を来年行う必要があることを考えると、より難易度の低い共通テストの対策は少しでも早く行う必要があります。この記事の内容を参考に、早め早めの対策を進めていきましょう。

 また、過去の例や今回の平均点を見る限り、2022年度の共通テストは難化することがほとんど間違いない状況になっています。とくに、上位の大学を志望するために高得点が必要な方にとっては、速読力や未知の問題形式に対応する能力が今回以上に試されます。そのための対策法についても触れましたので、是非今から対策を始めていきましょう。

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