英語検定試験とCEFRの対応について【中高生向けに解説】

英語検定試験とCEFRの対応について【中高生必見】 受験対策
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1.はじめに

 ごきげんよう!椎名まつり(@417matsuri)です。このブログをご覧の皆さんは、CEFR(セファール)という言葉は知っているでしょうか?これはすべての英語教育者が日頃から意識している言葉なのですが、英語学習者(英語を外国語として学ぶ人)には聞き馴染みがない言葉かもしれません。

 しかし、このCEFRという概念は英語学習者にとっても非常に重要な考え方です。この記事では特に中学生・高校生を対象にして、CEFRを意識した目標設定及び学習の重要性をお伝えしていきます。

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2.CEFRを理解しよう

 CEFRはCommon European Framework of Reference for Languagesの頭文字を取った表現で、日本語では「ヨーロッパ言語共通参照枠」と訳されます。これはヨーロッパ各国の言語について、言語の壁を超えてその能力を参照するための基準として、制定されたものです。本来、この基準は英語を始めとするヨーロッパ各国の言語を対象として作成されたものですが、現在では日本語をはじめとする世界各地の言語にも適用されています

 CEFRは英検などの検定試験の級のように、言語の習熟度に応じて下からA1A2B1B2・C1・C2の6段階に分かれており、最高ランクのC2レベルとなると、あらゆる状況において、あらゆる言語表現がほぼ完璧にできるという、いわばネイティブスピーカー同然の(あるいは、それ以上の)レベルであると評価されます。

 では、英語学習者である皆さんはどのレベルを目指していけばよいのでしょうか。今回は特に中学生・高校生の皆さんを対象にして目指すべきレベルを論じていきます。

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3.中学生が目指すべきCEFRレベル

 まずは中学生を対象にしたCEFRレベルを説明していきましょう。実は、中学生が目指すべきCEFRのレベルは最低レベルのA1です。A1レベルというのは最低レベルではありますが、皆さんに馴染みのある英検(実用英語技能検定)で言うと、3級合格レベルがこのCEFR A1レベルです。最低レベルと言いつつも、意外と目標が高いことが分かったのではないでしょうか。

 中学校で習う英文法や単語をしっかりと理解すれば、このA1レベルに到達し、英検3級にも合格することが可能です。実際、日本英語検定協会のウェブサイトでは英検3級のレベルを「中学卒業程度」と表現しています。

 では、このCEFR A1レベルというのはどういった英語力になるのでしょうか。具体的に説明するために、ブリティッシュ・カウンシルというイギリスの英語教育機関がCEFRのA1レベルについて説明した文章を引用します。

具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりすることができる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる。

https://www.britishcouncil.jp/programmes/english-education/updates/4skills/about/cefr

 このCEFR A1レベルにあたる英検3級の合格を、中学生の皆さんは目標にすると良いのではないかなと思います。もちろん、英語が得意で英検3級にはすでに合格しているという皆さんは、次の目標である英検準2級を目指して学習を行いましょう。

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4.高校生が目指すCEFRレベル

 次に、高校生の皆さんが目指すべきCEFRレベルを説明していきたいのですが、そもそも、なぜ高校生の皆さんがCEFRのレベルを意識して英語の勉強をするべきかを先に説明します。その理由は簡単で、現在の英語の大学入試はこのCEFRの指標に基づいて評価されることが増えてきているからにほかなりません。

 例えば、英検などの英語外部試験はCEFRに基づいて作成されており、これらの資格が大学入試に利用できることが増加しています。また、2021年から開始する「大学入学共通テスト」はCEFRの指標に基づいて作成されており、CEFRを意識した英語学習を日頃からすることで、大学受験を有利に進めることが出来ます。

 高校生の皆さんが目指すべきCEFRのレベルは、将来目標とする進路によって異なり、A2レベルからB2レベルまでに分かれます。まずは下の図を見て、A2からB2までのレベルが英語の各種検定試験で言うと、どれくらいのレベルなのかを理解しましょう。

GTEC(スコア)英検(合格級)GTEC(スコア)IELTSTOEFL iBT
B2準1級1190 – 13495.5 – 6.572 – 94
B12級960 – 11894.0 – 5.042 – 71
A2準2級650 – 959
CEFRレベルと英語各種検定試験との対応

  しかし、上の表のCEFRレベルの一覧を見ても、自分はどのレベルを目指せば良いのかが分からないかと思います。ということで、ここでは英語外部試験の利用が可能な私立大学の名前を入れたレベル表を作成しました。下のCEFRレベルと大学名の対応表を見て、皆さんも志望校に合わせて、目標となるCEFRレベルを設定してみましょう。

CEFR大学名(一般入試に採用している私立大学に限定)
B2早稲田大学・上智大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学・学習院大学・立命館大学など
B1東京理科大学・明治大学・明治学院大学・成蹊大学・獨協大学・日本大学・東洋大学・駒沢大学・専修大学・亜細亜大学・東海大学・国学院大学・桜美林大学・関東学院大学・関西大学・関西学院大学・近畿大学・摂南大学・龍谷大学など
A2立正大学・東洋学園大学・関東学院大学・玉川大学・大阪経済大学・大阪成蹊大学・桃山学院大学など
英語外部試験を一般入試に導入している大学と必要なCEFRレベル(2023年度入試)

 見てもらうと分かる通り、基本的に偏差値60以上の大学(早慶上智・GMARCH・関関同立など)はCEFR B2レベル、偏差値50から60の大学(日東駒専など)はCEFR B1レベル、それよりも低い偏差値の大学はCEFR A2レベルを入試にあたって要求しています。

 皆さんは目標となるCEFRレベルを定めることが出来たでしょうか。では、CEFRを意識した学習というのは、どのような学習方法なのでしょうか。私が高校生の皆さんにオススメする方法は英検対策を中心とした学習です。英検はCEFRのA2からB2までの全てのレベルに対応しており、受験料もその他のテストに比べると低額で、大学受験においても最も多くの大学で採用されています。

 一般的な大学入試対策や学校における学習ではリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの英語4技能をまんべんなく伸ばすことができません。しかし、これからの大学入試や大学入学後の授業、社会に出て英語を使用する場面においては英語4技能が全て重要となります。そのため、高校生のうちから全ての技能の能力を伸ばしていくことを意識することで、大学入試だけでなく、それ以降の人生においても役立つ英語力を身に着けていきましょう。

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5.おわりに

 この記事を通して、CEFRを意識した目標設定及び学習の重要性を理解してもらえたでしょうか。CEFRレベルについての詳細や、検定試験対策については別の記事で紹介を行っているので、ぜひそちらもご覧になって下さい。

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