リスニング・スピーキング力を高めるディクテーションと音読のやり方【英語上達法】

ディクテーション&音読の学習法 学習法
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1.はじめに

 ごきげんよう!椎名まつり(@417matsuri)です。今回の記事では、リスニング・スピーキングの能力を高める学習法として、ディクテーションと音読について説明していきます。どちらの学習法もメジャーな学習法であり、特に音読については英語の学習において一度は実践したことがあるでしょう。

 では、リスニングやスピーキングの能力を効率的に高めるためには、どのような方法でディクテーションや音読をしていけば良いのでしょうか。今回の記事では音声面の学習方法のポイントとともに、これらの学習法の具体的なコツについて詳しく説明をしていきます。

 また、英語の学習法全般についての分析記事を過去に書いていますので、こちらも是非ご覧になってください。

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2.音声面の学習のポイント

 リスニングやスピーキングといった音声面の学習を行う上で一番重要なことは「聞き取れない音は理解できないし、話せない」ということです。英語学習者の皆さんがよく分かっているとおり、英語の発音は日本語の発音とは大きく異なっています。その特徴としては「子音・母音の数の違い」「子音の単独・連続での発音がある」「リンキングが存在する」ことにあるでしょう。

 「子音・母音の数の違い」については子音で言うとLとRの区別、THのサウンドのように日本語に存在しない音の理解や、日本語では全て「タ行」の音に分類されるT(タ・テ・トの音)・TS(ツの音)・CH(チの音)が英語では明確に区別されることなどに苦労することでしょう。母音については詳細を説明すると長くなるので行いませんが、日本語の5種類に対し、英語では20種類をゆうに超える母音が存在しており、その区別がリスニングやスピーキングにおいて重要な要素となります。

 具体的なケースだと、lightrightの2つの語を区別するにはLとRの子音の違いを理解する必要があるでしょう。また、母音ではhurthearturearの部分の発音が微妙に異なっています。発音記号で表すと/hɜrt/と/hɑrt/となります。このように、単語を正しく理解したり、伝達するためにはこれらの音に注意をして学習をしていく必要があります

 「子音の単独・連続での発音がある」ことについてですが、日本語は「ん」以外の音では必ず「子音+母音」または「母音のみ」の発音をするため、「子音のみ」を発音することがない言語になっています。一方の英語はというと子音単独での発音が非常に多い言語になっています。

 例えばstructure/strˈʌktʃɚ/という単語はstructureという2つの母音を持つ語です(2音節の語と呼びます)が、第1音節(最初の部分)のstや第2音節のcの音は子音単独での発音(後ろに母音が来ない子音)になっています。こうした子音は「子音+母音」の形式に慣れ親しんだ日本人にとって、正確に聞き取ったり、発音することは難しい部分であると言えます。

 最後の「リンキングが存在する」という点は「単語と単語の間の連結がある」と言い換えることができます。ここは分かりやすく説明するために具体例を用いて説明をしましょう。ここではNice to meet you.という決まり文句を取り上げます。恐らく皆さん小学校や中学校でこのフレーズを習い、「ナイストミーチュー」のように脳内で理解しているのではないでしょうか。この際、meet youの部分を「ミーチュー」という形で、つまり、meetのtと次の単語のyouを合体させて「チュー」と発音するということを無意識に理解しているはずです。

 英語ではこのような単語と単語の間の連結、つまりは2つ以上の単語を一息に発音するようなことが一般的に行われます。日本語では滅多に起こらない現象であり、これについても慣れるまでにかなりの時間がかかるでしょう。

 今回はディクテーションや音読といった基礎的な学習法を通じて、この3つの日本人が苦手とするポイントを克服していくための勉強法を説明していきます。

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3.効率的なディクテーション学習法

 まずはディクテーションによって、日本人が苦手とする3つの音声的なポイントを克服していく方法を説明していきます。これはどの学習法にも言えるのですが、「何のために学習するのか」という目的意識なく行うディクテーションには意味がありません。是非、上述の3つのポイント「子音・母音の数の違い」「子音の単独・連続での発音がある」「リンキングが存在する」を克服することを目的としてディクテーションを行いましょう

 もう1つの重要ポイントは教材選びです。ディクテーションは聞き取った音をスペルとして書き出す学習法であるため、扱う教材についてはスペルが分かる程度の難易度のものである必要があります。英語は発音とスペリングの一致性が高くないため、あまり馴染みのない単語を聞いて書き取ることは上述のポイントの克服以前に、ほとんど不可能です

 そのため、ディクテーションの学習には専用の教材を用いることが一般的ですが、それ以外でも教科書の文章や一度演習をした後のリスニング問題をディクテーション用の教材として扱うことができます。特に、学校の定期試験対策で、教科書の内容に対する理解力を高めたいならば教科書の文章を使用することがオススメです。ディクテーションのために文章を繰り返し聞くことにより、1語1語に集中する必要がある上、さらにフレーズを意識して聞くことができるという効果があります。とくに、リスニングはリーディングと異なり、ネイティブによる音声を聞くことで文章の大まかな切れ目を理解することができる点が効率的な学習に繋がります。ディクテーションのためのリスニングには、何も考えずに英文を読むよりも文章を理解するための効果が期待できます。

 また、リスニング問題を解く力を高めたいならば、一度演習した後のリスニング問題を教材とするのが良いでしょう。リスニング問題を用いた学習の際は、当然ですが自分が解けなかった問題を中心にディクテーションを行うことが効果的です。解けなかった問題の多くには、聞き取れなかった箇所があるかと思います。そうした聞き取れなかった箇所を繰り返し聞いてディクテーションを行い、その後でスクリプトを見ることで、どういった部分が聞き取れていないのか、どういったポイントに弱いのかを明らかにしていくことでリスニング力を高めることが期待できます。

 ディクテーションによる学習は地味ですが、こうした地道な努力なくして英語リスニング力の向上はありません。3つのポイントを中心に、聞き取れなかった部分を少しずつ減らすことで、1度聞いて内容を理解できるようになっていきましょう。

 また、ディクテーションで身につけたリスニング力は、発音やスピーキングにも影響を与えます。言語学習において一般的に言われることですが、自分で聞き取れない言葉を話すことはとても難しいです。例えば、LとRの音を聞き取って区別できないにも関わらず、発音においてこの2つを明確に区別することはできないわけですね。そういった意味では、リスニング力を高めることにより、発音やスピーキングの能力も合わせて高めていくことができるでしょう。また、次に説明する音読の学習法を合わせて実践することで、さらにリスニング・スピーキングの能力を高めることができるでしょう。

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4.効率的な音読学習法

 音読についてもディクテーションと同様で、「子音・母音の数の違い」「子音の単独・連続での発音がある」「リンキングが存在する」という3つのポイントを抑えて読む意識を持つことが重要です。お手本となる音声を真似る際に、こうしたポイントのある部分を意識しつつ読むことが上達へのコツとなるでしょう。また、文章の発音しづらい部分に下線を引いたり、リンキングがある単語同士を線でつなぐような学習法がオススメです。

 音読の教材についてはネイティブによるお手本がついていて、文章の内容をリーディングでもしっかり理解できるものが良いでしょう。そして、文章を読みあげるというよりはお手本を真似るという意識を持って読むことが大切です。

 さらに効率的な方法としては、自分の音読を録音し、お手本の音声と聴き比べることで自分に足りないポイントを認識することがあります。ただ、自分の声を聞くことになるので非常にハードルの高い学習法になることは間違いありません。短期間で効果を上げたい方は是非録音もしてみましょう。

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5.おわりに

 この記事を通して、音声学習において重要視するべきポイントと、そうしたポイントを抑えたディクテーションや音読の学習方法について説明をしていきました。日本人が苦手としやすいポイントをしっかりと理解しながら学習を進めることで、リスニングにおける理解力、スピーキングにおける発音の正確さが増していくことが期待されます。ぜひこの記事の内容を踏まえた学習をしていきましょう。

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