英単語の覚え方・英単語帳の選び方について【おすすめも紹介】

英単語の学習方法・英単語帳の選び方 学習法
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1.はじめに

 ごきげんよう!椎名まつり(@417matsuri)です。今回の記事では英語学習者なら誰もがつまずくであろう英単語にテーマを絞って説明をしていこうと思います。この記事で紹介したいことは2つあって、まず1つ目にはどのようにして英単語の学習をするのか、つまり英単語の覚え方について科学的根拠を持って紹介していきます。そしてもう1つ、ボキャブラリーの増やし方が分かったとしてどのような英単語帳を選ぶと良いのかを考えていきます。

 科学的根拠ということで、現代における主流の英語教育法であるCommunicative Language Teachingの理論や、言語学的な研究を根拠にしつつ検討するので、やや難しい部分もあるかもしれません。なぜわざわざ難しい説明をするかというと、どのような理論であれ、理由を知って納得した上で行動をした方がより高い成果を上げることができるからです。皆さんも先生や両親に言われるがままにイヤイヤやったことと、自分が「やりたい」という気持ちになって取り組んだことでは結果に大きな差が出ることは経験的に知っていると思います。この記事を読み、「この方法でボキャブラリーの学習を頑張るぞ」という強い気持ちを持って取り組んでもらえると非常に効果が出るので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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2.英単語の覚え方について

 そもそも、なぜ皆さんが英単語を学ぶかというとその理由は簡単で、「英単語はリスニング・スピーキング・リーディング・ライティングといった英語4技能の基礎となる部分であるから」です。当然ですが「私は」を意味する英単語の”I“を知らずに英語を理解することも、英語で何かを伝えることも不可能でしょう。そういった意味で英単語の知識というのは英語の技能を表現するための基礎であり、自分が英語において使うことのできるリソースになります。また、裏を返せば、英単語の知識は多ければ多いほど様々なことを英語で理解し、発信することが可能になるようになります

 CEFRのレベルを見ても分かる通り、英語のレベルが上がるということは、英語の単純な指示が分かる・言える程度から始まり、英語で日常生活が出来るようになり、高いレベルでは複雑な話題、抽象的な話題にも対応できるようになっていくことです。それぞれを具体的な英文で考えてみましょう。

  1. 単純な指示の例: Stand up. / See you. / Excuse me.
  2. 日常生活会話の例: How was your weekend? / Would you like another cup of coffee?
  3. 複雑・抽象的話題の例: Trespass is an area of criminal law or tort law broadly divided into three groups: trespass to the person, trespass to chattels and trespass to land.(引用元)

 当然ですが後者の話題になっていくにつれて、文は長くなるほか、使われる単語も難しくなっていますよね。そのため、英語の各技能の能力を高めることも重要ですが、その基礎となるボキャブラリーの力をどのようにして高めていくのかということも非常に重要になってくることが分かってもらえるかと思います。

 では、本題に入ってどのようにしてボキャブラリーを増やすべきかということを考えるのですが、現代の英語教授法の教科書では単語リスト・ドリル・単語カードによる学習は「単語の学習を軽視している」とまで言われていることをまずは皆さんに知ってもらいたいです。現代にも生き残っている英単語帳の中で英単語と日本語の訳語が1対1対応の形式で掲載されているようなものがたくさんありますが、科学的な英語教授法の世界においてこれらの参考書の価値を認める余地はほとんどありません

 では、どのような単語学習をすればよいかをこれから説明していきます。

1.オーセンティックな言語に触れる

 まず最初のポイントは、オーセンティックな言語に触れること、つまり実際の言語の使用法に即した形で学習するべきだということが言われています。例えば、コロケーション(ある単語とセットになって出てくることの多い単語の組み合わせのこと)と共に単語を覚えたり文脈の中で単語を学習するほうがより効率的です。

 例えばasylumという単語を覚える時にただ「避難・亡命」と覚えるのではなく、例えばShe asked for political asylum.というようにpolitical asylum「政治的亡命」というコロケーションの形で覚えたり、下の記事を読んで亡命や難民(Refugees)についてのニュースでよく使われる単語として覚える方がより覚えやすいということです。

 もしもコロケーションなどを知らずにasylumを「避難・亡命」と覚えていたら「避難訓練(Evacuation Drill)」の「避難」を表すために使ってしまうかもしれません。おそらく、political asylumというコロケーションを知っていれば同じ「避難」であってもより深刻なケースで使うべきだと想像が付くのではないでしょうか。

2.意識的に単語を覚える

 では、英単語帳なんて一切やらずに、英文を読んだり、聴いたりする中で単語を学んでいけばいいのかというと、そうではありません。ここに英単語学習法の第二のポイントがあります。英単語の学習は偶発的にではなく、意識的に行われなければならないのです。単語を学習するためには「単語の意味や用法を勉強するぞ」という意識を持つことが重要になります。

 皆さんの経験からも分かる通り、英語の長文を読んでいる中で知らない単語が出てきた際に必ずその単語を覚えようとしているかというと、そういう人は少ないかと思います。また、知らなかった単語があったからといって、その単語を覚えるために文章を読み直したり、知らない単語の前後の文脈を含めて理解をしようとする人はもっと少ないでしょう。

 ということで、文章を読む中で出会う単語を意識的に覚えるようにすることをオススメします。そうすれば単語帳で苦労をして単語を覚える必要性は大きく下がりますし、単語を覚えるスピードと個々の単語に対する理解度も上がっていくでしょう。

3.関連知識とセットで覚える

 また、単語を覚えるために役立つ情報をセットで覚えることも、英単語を覚えるためのポイントです。特に、以下のような知識が役立ちます。

  • 接頭辞接尾辞語幹のような単語の成り立ちを説明するもの
  • 類義語対義語のように単語の意味を知る助けになるもの
  • 上位関係にある語(dog, catなどに対してanimalが上位関係にある語です)

 こうした知識は辞書で説明されていることがあるので、新しい単語を覚える際にはこうした知識もセットで覚えると覚えやすくなります。また、単語帳での学習の際にもこうした情報が充実したものを選ぶと良いでしょう。

 では、ここまでの単語学習法を以下にまとめておきます。

1.オーセンティックな言語に触れる 

 →コロケーションや文脈と合わせて覚えることが重要です

2.意識的に単語を覚える

 →英文を読む中で見つけた知らない単語を調べましょう

3.関連知識とセットで覚える

 →単語の成り立ち・類義語対義語などを助けにしましょう

 こうした手法を盛り込むことで英単語の学習はより効率的になります。特に、2番目のポイントである意識的に単語学習をすることは非常に重要で、例えば英語の長文問題を解いたら、答え合わせのあとに是非知らない単語の意味を調べるところまでをセットで行うことで、単語帳を使わずとも飛躍的に単語力はアップするはずです。

 しかし、日頃の自習の中でこれらを実践するのは難しい人もいるかと思います。そのため、単語帳を選ぶ際にはこれらの条件をできるだけ満たすようなものが良いということになるでしょう。

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3.英単語を覚えやすい英単語帳はどれ?

 では、ようやく本題である英単語帳の選び方について考えるのですが、簡単に言えば上述した3つのポイントをそれぞれの単語帳が満たしているのかを検討すれば良いということになります。この記事ではひとつひとつの参考書を紹介して、条件を満たすかどうかについては議論しませんが、簡単にこういった単語帳が良いのではないかというものを示したいと思います。

 とは言うものの、1から3の全てのポイントを高いレベルで満たすような単語帳は少ないです。

 私がオススメするとすれば「速読英単語」シリーズや「英文で覚える 英単語ターゲットR」シリーズ、『医歯薬系入試によく出る英単語600』になります。やはり、1番目のポイントであるオーセンティックな使用法ということを考えると、なるべく多くの単語をある程度の長さのある英文を通じて理解してもらうのが一番良いと考えます。

 また、図説や語源の解説といった3番目のポイントに優れた単語帳として『東大英単語熟語 鉄壁』「英単語の語源図鑑」シリーズのような本も挙げられるでしょう。これらの単語帳は、ただ英文を読むだけではわかりにくいニュアンスや成り立ちの部分に強く、英単語をより高いレベルで理解するための助けになります。

 もちろん、それぞれの単語帳には適切なレベルがあり、学習者の皆さんのレベルに合った参考書を選ぶことも非常に重要になるので、その点にも注意をしましょう。

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4.おわりに

 今回の記事では英単語学習の方法論と、英単語帳の選び方について説明をしていきました。本文でも説明した通り、単語帳無しで英単語を学ぶことが出来ればそれに越したことはないかと思いますが、英単語帳を使うにしても、3つのポイントを意識しながら学習することでその効率は大きく変わっていきます。また、これから単語帳を買おうと思っている皆さんにとって、単語帳を選ぶための1つの指針になれば幸いです。

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