【2021年本試験】大学入学共通テスト 英語リーディング徹底解説

大学入学共通テスト 英語リーディング解説 受験対策
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1.はじめに

 ごきげんよう!椎名まつり(@417matsuri)です。今回の記事でも2021年1月16日に実施された大学入学共通テスト(本試験)の英語リーディングについて書いていきます。

 前回の記事では全体の問題の形式・特徴・予想平均点といった内容について分析をしていきました。今回の記事では問題の解答・解説を行っていきます。既に答え合わせをして解説が気になっている受験生の皆さんや、同日模試等で問題を解いた高1・高2の皆さんにとって、少しでも分かりやすい解説を心がけていきます。

 まだ前回の記事を読んでいないよという皆さんは、是非以下のリンクから分析記事を合わせて読んでもらえると、共通テストへの理解度が高まるかと思います!

 また、2022年度以降に共通テストを受験する人に向けて、2022年度の英語リーディング問題はどのような問題になるのかの予想と、その対策方法の紹介を行っています。以下の記事も合わせてお読みください。

 それでは問題と解答用紙を手元に準備して、解説をご覧になってください!一応ここに解答も付けておきますが、心配な方は大学入試センターのウェブサイトをご覧ください。

2021年大学入学共通テスト 英語リーディング解答
36-37と45-46は順不同で完答です。
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2.リーディング第1問 解答・解説

 リーディングの第1問はA・Bの2つの問題から構成され、どちらも問題文から必要な情報を探して読み取るというスタイルの問題になっています。A問題よりはB問題のほうがやや分かりにくいですが、どちらも比較的解きやすい問題になっています。

 形式的には、センター試験の第4問Bや英検3級の問題3Aが近い形を取っており、得点の取りやすい形式となっています。ではそれぞれの問題を解説していきます。

A問題 解答・解説

 前回の分析でも紹介しましたが、全ての長文の前に場面設定のための文章が付いているので、まずはここを読みましょう。この問題では「ドミトリーのルームメイトのJulieがお願いのメッセージをスマホで送ってきた」と書かれています。すでにwith a requestと文章の趣旨が書かれているのがポイントで、ここを先に見ていれば本文を読む前に内容の想像を付けることができます。

 では問1から。Julieのrequestの内容は最初のHelp!!!から始まるメッセージの中にあるCan you bring my USB to the library?の部分が分かればが正解であることは容易に分かるでしょう。また、最後のI don’t need the book, just the USB.♡という部分で重ねて表現されています。

 続けて問2は、2番目のJulieのメッセージに続く文章を選択するもので、文章の流れを掴んで選ぶことがポイントです。Julieに対しての返事で「USBは見つからなかったのでパソコンを持っていってあげる」と説明をしたのですが、Julieは2番目のメッセージでI did have it.と持っていたことが明らかになりました。そのため、「それなら良かった」という②が正解です。①と③は見つかっていないときにしか使えない表現ですし、④は「あなたはがっかりして当然だ」と、USBが見つかった喜びの状況にそぐわない内容になっています。

B問題 解答・解説

 B問題は「お気に入りのミュージシャンが日本でコンサートをあるので、ファンクラブに入会するか悩んで、ファンクラブのサイトを閲覧した」とリード文で説明されています。なお、この問題はセンター試験の第4問Bのパターンにかなり類似していたので、演習していた受験生には簡単だったかと思われます。

 まず問1はNew Member’s Packについての設問で、第1段落の3行目~6行目で解説がされている部分です。①はアルバムがthird albumなので不適、②と④の到着に関する記述は段落の最後の文にある通り入会から1週間程度で届くと書かれているので②は不適で④が正解であることがわかります。③についてはページを跨いだCheck it out!の2点目$4と書いてあるため不適です。

 問2については3種類あるプランのうち、Pacer memberの内容として適当なものを選ぶ問題です。これはWhat you get(♬)の表をチェックすれば④が正解になります。①は両方、②は後者、③は後者が別のプランの内容になっています。

 問3は問題文のfor one yearに注意して、それに当てはまる部分を探しましょう。再び最後のCheck it out!の3点目の文、At the end of your 1st year, you can either renew or upgrade at a 50% discount.という部分を根拠に③が正解です。勢い余って④を選ばないように。①は$60の半額で$30になるため不適、②は1年経過後にもらえるとは書いてないので不適です。

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3.リーディング第2問 解答・解説

 続く第2問もA・Bの2つの問題からなる形式ですが、どちらも文章の要点や概要を把握する力や書き手の意見を理解する能力が求められる問題になっています。A問題は点数表・審査員の個人コメント・まとめと3つの資料からなる形式、B問題は掲示板の2つの書き込みからなる形式で、分析でも紹介した、共通テストの特徴的な部分である「複数の情報源」から考える問題になっています。

 また、問題についても「事実(fact)」と「意見(opinion)」を区別する問題が出題されるため、ただ情報を発見するだけでなく、発見した情報の種類にまで注意を払う必要があります

A問題 解答・解説

 この問題もまずはリード文を読みましょう。「イギリスの学園祭バンド大会の責任者の生徒として、順位を理解し、説明するために、3人の審査員からの点数とコメントをすべてチェックしています」とのことで、審査員のスコア、個別のコメント、まとめられた評価の3つの資料が与えられています。

 まず問1からですが、まずscoreに注目した上で、もっとも歌唱がうまかったグループを選ぶことになっているので、スコアの資料のSingingの得点を見れば良いことがすぐに分かるでしょう。4.9点のMountain Pearが最高得点なので②が正解。個別の審査員のコメントを見ても、Mr HobbsとMs LeighはMountain Pearの歌唱力を褒めています。

 問2は好意的なコメントと批判的なコメントを両方している審査員を探すものです。Mr HobbsとMs Wellsは好意的なコメントしかしておらず不適、Ms LeighはSilent Hillには好意的なコメントしかしていませんが、残りの2組について良い点・改善点の両方を挙げており②が正解となります。④のNone of themのような解答があると迷いやすくなりますが、解答の根拠を見つけたなら自信を持って選択していきましょう。

 問3は「事実」を選ぶ問題です。ここからはそれぞれの選択肢の内容のほとんどは本文中に出てきますが、それが「事実」なのか「意見」なのかを吟味していきましょう。全員がGreen ForestSongについては良い評価をしており、①が事実として正解。②はMs Leighの主観的な「意見」なので不適。③も審査員の2人は褒めているし、得点も高いですが、客観的な事実として上手に歌うことができるかどうかについては言及されていないので不適。④についてもMs Leighの個人的な「意見」なので不適。

 問4は逆に「意見」を選ぶ問題です。①の全てのバンドが同じ合計得点であったは「事実」なので不適。②も最後のまとめの部分に出てくるsuggestionが問題だが、これが受け入れられたことも「事実」であり不適。③はMr Hobbsの「意見」として書かれているため③が正解。最後の④は全バンドが同点だったため、審査員の意見によって順位決定がされたということは「事実」のため不適。

 最後の問5だが、これまで見てきた通り、全てのバンドが同点であったため、審査員の最後のまとめのコメントの部分で順位決定がされている。まず、「performanceが最も重要だということについて審査員は賛成し、1位は簡単に決まった」と書かれている。また、「2位と3位を決める際に、song originalitygood singingより重要だとMs Wellsが提案した」と書かれており、残りの2人も賛成したという。そのため、まずはperformanceの得点が一番高いSilent Hillが1位、2位はSong originalityで上回ったGreen Forestで、3位がMountain Pearとなる。正解は⑤

B問題 解答・解説

 B問題のリード文も読みましょう。「あなたは交換留学に来ているイギリスの学校の校則の変更について聞きました。あなたはオンライン掲示板の議論を読んでいます」とあり、2つの投稿が続いています。軽く見ると1つ目の投稿は生徒会長(Head Student)のもの、2つ目の投稿は校長(Head Teacher)のものであることがわかります。

 まず問1ですが、Kenがどのように考えているのか、つまりKenの「意見」を聞くクエスチョンになります。Kenの考えを知るために、まずはKenの発言から探していきましょう。読んでもらえばすぐわかりますが、Kenの立場はnew policyに対して反対的なので、①②③は全て好意的なコメントで不適なことが分かります。よって④が正解。実際、これについては第2段落のIs this why you have made the schedule an hour and a half shorter?の文が対応している。ちょっと分かりづらいがいわゆる”This is why…”構文「これは~のためである」の疑問文で、「このため(節約のため)にあなたは予定を1時間半短くしたのですか」と尋ねています。続く文を見て分かる通り、Kenはnew policyによってafter-school activitiesに使える時間が短くなることを考えており、④がやはり正しいことが分かるのではないでしょうか。

 問2はKenの投稿から「事実」を探す問題です。①はDr Bergerに考え直して欲しいと言っているだけであり、議論が必要とは言っておらず不適。②については第1段落にあるがこれは「意見」であるので不適。③だが、「学校が~すべき」という内容であり明らかに「意見」になっており不適。来年以降に共通テストを受験する生徒の皆さんはこういう助動詞の用法に注意しよう。これも④が正解で、A number of students have told me that they want to stay at school until 6.00 pm as they have always done.の文に、new policyを歓迎していない生徒が存在しているという「事実」を述べている。

 問3はKenの主観的な意見であるため②が正解。①についてはDr Bergerが自分の投稿で否定しており不適。また、③④については言及がないため不適。

 問4はDr Bergerのnew policyが根拠としている「事実」を問う問題。第2段落のThe decision was made based on a 2019 police report.と次の文の内容が根拠であると発言しており、これに合う②が正解。①と④はDr Bergerの「意見」としてはあり得るが、根拠となる「事実」ではないので不適。③についてはDr Bergerの発言で否定されているので不適。

 問5はKenがnew policyに反対することを助けるために何を調べると良いかと考える問題で、Dr Bergerのnew policyを決めた根拠となる部分を崩すことが求められているということに気づく必要があります。つまり、実はこの問題は問4と連動しており、先ほど答えにした「街の安全度が下がっている」ことに関係する内容を調べないといけません。そのため「犯罪率と地域の関係」①が正解。②や③のような経済的な理由はDr Bergerが否定したことであり不適。また、学習面の問題でもないため、④も不適。

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4.リーディング第3問 解答・解説

 第3問もA・Bの2つの問題からなる点は第1問・第2問と同じなのですが、この第3問では文章に書かれた情報を正しく理解することが求められる設問が中心の問題になっています。A問題は恐らくCEFR A1レベルを意識しているために、補助となる図表が入っているのですが、これがとんでもない引っ掛けを生み出しているので後で確認していきましょう。

A問題 解答・解説

 もうすっかり定番となったリード文の読解からしていきましょう。「あなたはイギリスのホテルに宿泊することを考えています。旅行のアドバイスをするウェブサイトのQ&Aに有用な情報を発見しました」ということで、またイギリス英語による問題が出題されます。

 内容はHollytree Hotelについての質問をしているLizとそれに解答をしているAlexのやり取りになっています。また、Hollytree Hotelへのアクセス方法の画像が次のページに添付されています。

 問1はAlexの解答の部分から分かることということでかなりザックリした問いになっています。消去法で挑むと分かりづらいですが、値段について評価している③が正解なのは分かりやすいでしょう。Alexの文の3文目、It’s inexpensive, and the service is brilliant!の部分が根拠になります。①のconvenientは地下鉄について言及しているだけで、立地はAlexの解答を見る限り悪そうです。②についてはVictoria Stationに行く途中の乗り換えで迷ったと書いてあり、図で言うところのMossfield Stationのことだと思われるので不適。④はOn my first visitからの段落とThe second timeからの段落で違う方法を使っているため不適。

 2021年3月15日の午後2時に出発した場合の最短ルートを問う問2が非常に厄介で、図表を見て答えるととんでもないことになってしまいます。まず、Burxton AirportからVictoria Stationですが、単純に図を見て足し算をすると地下鉄が早いように見えるのですが、Alexの答えの第3段落、Transferring to the Orange Line for Victoria should normally take about seven minutes…とあり、乗り換えでかかる7分をプラスして考えると、右のバスの方が早くなります

 さらに、Victoria StationからHollytree Hotelまでの道のりについても、Alexが第4段落で夏まで道路工事をやっていてバスは普段の3倍の時間がかかると言及しており、ここも図とは異なり徒歩の方が早くなります。ということで、最短ルートは②が正解になります。この問題はシンプルそうに見えて相当厄介な問題でした。

B問題 解答・解説

 B問題はリード文によると「あなたのクラスメートがイギリスからの交換留学生の書いた学校のお知らせの記事を見せてくれた」という状況の文になります。ここまで4問連続でイギリス英語による出題です。これほど多く出題されるとなると、今後はアメリカ英語だけでなくイギリス英語にもある程度慣れ親しむ必要が出てきそうですね。

 さて、この問題は分析記事でも紹介した順序を解答する問題から始まります。この問題は時系列順に出来事を並べる必要があるのですが、当然ながら本文に登場した順序とは微妙に異なっているため、よく考えて解く必要があるので注意しましょう。本文では第3段落・第4段落の内容になるのですが、一番最初に出てくるのは②に当たる内容で、She thanked me when I donated some money.が該当箇所です。しかし、その次の文ではShe told me that they had asked the town mayor… but their request had been rejected.と大過去を表す過去完了形で④に当てはまる内容が書かれています。そのため、出来事の順番は本文に出てくる順序とは異なり④→②となるということがポイントになります。

 第4段落では初めの部分でcentreでのlectureに参加したという①の内容、最後の部分で他の生徒が助けてくれるかもしれないという提案があって③の内容が書かれており、答えは④→②→①→③となります。

 問2はSakura International Centreについてと、これも該当箇所の探しにくい問いになっています。正解はで第2段落の2文目、It providesから始まる文に書いてあります。①はfinancial aidを与えていないので不適。③と④は言及がないため不適です。

 問3はSarahのメッセージを読んで手助けをしたいときに最初に何をするべきかという設問です。最終段落の2文目、Please email me today!と書いてあるので②が正解。①、③、④も行動としては悪くないですが、firstと書いてあるのでまずはSarahにメールをすることからになるでしょう。

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5.リーディング第4問 解答・解説

 第4問は複数のテキストと図表を参照しつつ適切な情報を発見する形式の問題になっています。ここからは問題の難易度がぐっと上がります。特に、この第4問はメールが2通と図表が2つと、これまでの問題に比べて情報源の種類が非常に多くなっています。図表についてはあまり複雑な使い方をしていませんが、ほとんどの問題がNatsukiとEmmaの2人のメールを両方参照しないと解けない作りになっており、CEFR B1レベル(英検2級程度)の難易度と思われます。

 さて、今回はリード文が少し長いですが、重要な情報なのでしっかり見ていきましょう。「英語の先生のEmmaはあなたとクラスメートのNatsukiに姉妹校の生徒の歓迎会の予定を作る手助けのお願いをしました。あなたは予定の案を作るためにNatsukiとEmmaのメールのやりとりを読んでいます」ということで、2人のメールと添付資料を読んで問題に答えていきましょう。

 問1は姉妹校の生徒が乗る電車に関する問題で、Natsukiのメールの第1段落で「Azuma Stationに9時39分に到着する電車でくるの?」とEmmaに質問をしているのですが、Emmaは2通目のメールの第1段落で「彼らは駅(the station)に9時20分に到着する」と答えているところがポイントです。Emmaのメールではthe stationとしか言及していませんが、Natsukiのメールを読めばこれがAzuma Stationであることが分かるので、電車の時刻表を見ると、行きの電車はAzuma Stationに9時20分に到着するNo.109であることが分かります。よって24の空欄は①が正解

 ホテルに戻る電車については分かりにくいですが、Emmaのメールの3段落目で言及されています。「午後5時にmallに到着するバスに乗れば、1時間くらい買い物をして夕食の6時半までにはホテルに戻ることができる。ホテルはKaede Stationから徒歩で数分」という情報があります。また、mallはNatsukiのメールの第5段落で述べられているWest Mallであり、Hibari Stationの隣にあることが分かります。よって、この条件を満たす電車はNo. 239になります。よって25の空欄は⑤が正解。この電車ならHibari Stationを18時に出るため約1時間の買い物が出来る上、Kaede Stationには夕食の8分前に到着するので、夕食に間に合うでしょう。

 さて、問2で予定の案を完成させていきましょう。まず最初に到着するのはDの学校であることは間違いないですが、午後のスケジュールについてはNatsukiのメールの第3段落を見ると、Westside Aquariumを訪問するのは「最も空いているとき」と書いてあります。添付のグラフを見るように書いてあるので、確認をすると15時から16時が当てはまるため、3番目にAの水族館が来ます。そして、Mallを訪問するのは問1で見た通り夕方の17時なので最後にCが入ります。よって解答は②

 問3の昼食についてはNatsukiがメールの最後で質問しており、Emmaはメールの第4段落で「学校のカフェテリアでランチボックスを受け取って、Natsukiが言及した像(Statue)の下で食べましょう」と答えています。その像というのはNatsukiのメールの最終段落に出てくる、学校の隣のAzuma Memorial Parkの像のことであり、食事場所はpark next to the schoolであることが分かるので②が正解

 問4の移動手段については消去法で解くと良いでしょう。①のbusはEmmaのメールの第1段落にあるように、school busでAzuma Stationから移動をするため使用しており不適。②のtaxiが正解で、Natsukiがタクシーで来るのかと第1段落で質問していますが、それについてはEmmaのメールの第1段落で否定されています。③の電車は当然使っているため不適。④の徒歩については問1で見た通り、Kaede Stationからホテルまでは徒歩移動になることが書いてあるため不適です。

 問5は3番目の選択肢として適切なものを提案するのですが、そもそも「3番目の選択肢」についてはEmmaのメールの第2段落の最後に書かれているものです。この段落には、Natsukiの提案が良い理由として、「両方の学校が科学教育に力を入れており、プログラムの目的も生徒の科学的知識の向上であるため」と言及されているため、3番目の選択肢も科学に関係するものが良いでしょう。選択肢の中で科学的な場所はHibari Space Centerのみであり、④が正解となります。

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6.リーディング第5問 解答・解説

 続く第5問はセンター試験の形式を引き継いで物語文が出題されています。しかしながら、問題の形式は本文の内容についてのスライドの穴埋めを完成するというものに変わっており、物語の内容を大まかに理解する能力が試されています。

 まずリード文を読むと「国際ニュースを使って、あなたは英語のプレゼンテーションコンテストに参加することになりました。原稿を準備するために次のフランスからのニュースを読みましょう」ということで、ニュースからプレゼンテーションを作ることが分かります。問題は全て穴埋め形式となっており、本文の内容を上手く要約したプレゼンテーションを作るという意識を持つと、問題が解きやすくなるでしょう

 まず問1のプレゼンテーションのタイトルですが、必ず全文読み終わってから解くようにしましょう。また、本文の内容に当てはまらない解答と、本文のメインテーマから外れる部分を使っている内容を消去して答えるのが鉄則です。まず①は助けたのが牛の命なので不適。②は夏に限定されていないし、見せ物をするようになった話は後半の4段落のみで、全体のタイトルとしては不適。④は「農家と牛の関係」ということであまりに内容が一般的すぎるので不適。よって解答は③で、「馬のような行動をする雄牛のAstonとの出会い」が本文全体の内容を踏まえたbestなタイトルである。

 問2は主要人物とそうでない人物を分ける問題だが、309とAstonが同じ牛のことだという前提を理解していれば①と②は誤りであることはすぐに分かる。また、③はAstonを引き取ったもうひとりの主役であるSabineがMinor figuresになっており不適。よって正答は④

 問3は4つの空欄に対して5つの選択肢があるため1つ不要になる点、空欄の前後に出来事が書かれている点の2つに注意して解かなければならない。まず不要な選択肢は②で、この内容は空欄35の後に来るAston and Sabine start going to shows.の内容より後の出来事のため、今回は使用しない。あとは出来事の順番を正しく理解して並べ替える必要がある。最初は第1段落末のThe farmer agreed, and Sabine started work.の内容である④、次に第2段落にあるshe asked the farmer if she could buy him and his mother. The farmer agreed, and she bought them.の内容から③、次の文Sabine then started taking 309 for walks to townから⑤の順。そして第3段落の後半にある通り①が続く。よって正解は④→③→⑤→①の順

 問4は5つの選択肢から2つを完答しなければならない問題。①は第3段落の最後から2文目、He also noticed his faults and corrected them without any help from Sabine.の内容と一致している。②はside-by-side(並んで)とは書いていないので不適。③は第3段落のページをまたいだ後の部分、And despite weighing 1,300kg,からの文で「Sabineを背中に載せて1メートル以上飛ぶ方法を学んだ」と書いてあるのでこれが正解。④は馬との速度の比較はしていないため不適。⑤もポーズを取るとは書いておらず不適。よって①と③の両方を答えるのが正解

 最後の問5は現在のAstonということで後半の段落の内容から探せばよい。①が正解で、の内容が最後から2段落目に「オンライン上でたくさんのフォロワーを獲得している」と書いてある点が根拠となる。②のようなお金の話題はないため不適。③は「有名さ故に人々を怖がらせない」と書いてあるが、人々がAstonを怖がらない理由は彼の性格の穏やかさにあるため不適。④についても「ほとんどの夜」とまでは言及しておらず不適。

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7.リーディング第6問 解答・解説

 最後の第6問はA・B2つの説明文からなる形式ですが、第5問のような要約形式で今度はポスターを作成するA問題と、一般的な内容一致問題のB問題という、問題形式の異なる2つの問題から構成されています。そのため、A問題では説明文の概要を理解する能力が、B問題では説明文の中から必要な情報を発見する能力が求められます。対策としても、この2つの問題では別のアプローチが必要になってくるでしょう。

 また、分析記事でも紹介した通り、両方の問題が約600語ずつあるため、非常に時間のかかるセクションになります。最後まで集中力を切らさずに解くことが出来たかも得点に影響したと思われます。

A問題 解答・解説

 ここもまずはリード文を読んでいくと、「あなたはスポーツの安全についてのクラスのプロジェクトに取り組んでおり、以下の記事を見つけました。あなたは記事を読み、クラスメートに発見したことを紹介するためのポスターを作ります」ということで、ポスターを作る問題となっています。要は第5問と同様に穴埋めをすることで全体の要約を完成させる形式になっています。

 問1のShort-term Effectsについては第3段落の「for a short time」というキーフレーズを発見することが出来ればすぐに解答を見つけられたでしょう。be unable to … see clearlyという部分がUnclear visionへの言い換えられていることに気づくことが出来れば④が正解なのは問題ないでしょう。

 問2はLong-term Effectsについてですが、これは続く第4段落の後半、「serious effects that last a lifetime(生涯にわたる深刻な影響)」 というフレーズを発見することが重要になります。あとは再びhave trouble … sleepingがSleep disordersに言い換えられていることに気づいて正解の③を選べばOKです。

 問3のconcussion spottersについては最後から2段落目で述べられているためこの段落の内容をしっかり理解すれば問題ないでしょう。①はこの段落にある通り許可を出すのは医者であり不適。②はconcussionを起こした選手の検査を行うのも医者なので不適。③の罰金についてはspottersの役割ではないので不適。④が正解で、If a spotter thinks that…以下の文にある通り、concussionを起こしたと思われる選手を試合から出して休ませる判断をする仕事であることが述べられています。

 問4についてはまとめなので最終段落を見てNHLがどのような対応をしているのかを考えれば良いでしょう。①は選手が頑丈になるのかどうかの問題ではないので不適。②が正解で、the NHL will surely take further measures to ensure player safety.と書いてある通りの内容になっている。③のコーチへの教育については述べられておらず不適、④のvisorについては必須になったと第5段落で説明されているため不適。

B問題 解答・解説

 この問題はセンター試験の第6問で出題されていた内容一致問題に近い形式ですが、一応この問題にも状況を説明するためのリード文が付いています。「あなたは保健の授業で栄養について学んでいます。様々な甘味料について知るためにテキストの以下の文章を読みます」ということで、残念ながらこの問題はあまりリード文は重要な要素にはなっておらず、センター試験の旧形式と大差ありません

 問1は「近代科学が甘味料の世界を~によって変えた」ということで、該当する箇所を探しましょう。第1段落の4行目、Scientific discoeries, however,からの部分が問題文に対応しています。以下、段落の最後まで読むと、普通の砂糖よりも甘い新たな甘味料について記述がされており、それと同じ内容の③が正解。①は発見されたのがwhite sugarのtypeではなく、全く別の甘味料であるため不適。②は第2段落の内容であり関係がないため不適。④はplants from the environmentという記述が、第1段落の最後の人工甘味料の発達に関係する内容と矛盾するため不適。

 問2は甘味料を甘い順に並べる問題で、第1段落と第4段落の内容をまとめれば簡単に答えることができる。第1段落には砂糖より1.2倍甘いHFCSが、第4段落には砂糖より200倍甘いAspartameとAce-K砂糖より300倍甘いStevia、そのSteviaの2倍甘い(=砂糖より600倍甘い)Sucraloseが登場します。また、既に一番上に位置しているAdvantameは砂糖より20,000倍甘いと第4段落に記述があります。よって、甘い順にAがSucralose、BがStevia、CがAce-KとAspartame、DがHFCSと決まるため、正解は③

 問3は正しい選択肢を2つ選ぶ問題で、この問題も完答する必要がある新傾向問題になっています。ただ、すべての選択肢の内容をチェックするだけなので難しくはありません。では①ですが、添加された甘味料について、第2段落ではAdded sugarがアメリカ人のエネルギー摂取量の14.6%を占めることは説明されていますが、「Alternative sweetenerが体重増加の原因である」とは書かれていないため不適。②も同様に、Added sugarとAlternative sweetenerは別のものであるため不適。③は第3段落の最後の文で、Not all LCSs are artificial – stevia comes from plant leaves.と書かれているため一致しています。④は第4段落の最初の文の内容と真っ向から逆の内容で不適。⑤は第5段落の最後のUnfortunatelyから始まる文の内容と一致する。よって解答は③と⑤

 問4は消去法で考えると良いですが、筆者の立場を理解するために、結論である最終段落を確認しつつ解くと良いでしょう。①はartificial sweetenersに批判的としているが、本文の最終文で「個人が選択肢を検討して必要と状況に最も適した甘味料を選択する必要がある」と述べており、一概に反対だとは言えず不適。②は人工甘味料が伝統的な甘味料に取って代わったとあるが、そのような事実は一切ないため不適。③についてはより甘い甘味料を発明する必要があるとは述べていないため不適。④が正解で、前述した本文の最終文の内容とも一致する。

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8.おわりに

 これで全ての設問の解説は以上になります。平均点は58.8点というテストではありますが、上位大学の受験生のレベルを考えれば9割以上の得点を取ることが難しいテストでは決してありません。受験生の皆さんはリサーチの結果を踏まえて大学を出願するため関係ないかと思いますが、高校1年生・2年生の皆さんがどの程度の得点を取るべきかについて最後に簡単に考えていきます。

 おそらく、センター試験時代に85%以上の得点がボーダーだった大学については、英語リーディングの得点率は変わらず90%以上が目標になってきます。そこから逆算をして考えると、高校2年の段階では75~80%程度高校1年では50~60%の得点が求められるでしょう。

 逆に、センター試験時代に70%程度の得点がボーダーだった大学については、平均点の下降の影響を受けて目標となる点数も下がることが想定されます。そのレベルの大学を志望する高校2年生は55~60%を、高校1年生は40%前後の得点が必要になると考えるとよいでしょう。

 以上で2021年大学入学共通テストの英語リーディング問題の解説は終わりになります!なかなかの長丁場でしたが、最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。質問などがあればTwitterやブログへのコメントを貰えると嬉しいです。

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