海外留学に最適なタイミングとは?②大学編【必要な英語力・費用も解説!】

海外留学
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1.はじめに

 ごきげんよう!椎名まつり(@417matsuri)です。今回の記事では、前回の記事に続いて、海外留学に最適なタイミングについて考えていきたいと思います。今回取り扱うのは、海外留学をする3つのタイミング(大学以前(小中高校)大学(学部)大学院)のうち、大学の学部時に留学をするケースになります。大学以前に留学するケースについて、前回の記事で検討していますので、ぜひ合わせてお読みください!

 前回の記事でも書いたとおり、私が提案する最適な海外留学のタイミングは大学院進学時ですが、大学の学部において海外留学をすることにも多数のメリットがあります。今回も英語力・留学費用・必要条件といった側面からメリット・デメリットを比較していきます。

 長期間の留学を今回も前提にしていくのですが、大学の学部で留学をするにも直接海外の大学に留学するパターンと、日本国内の大学の交換留学制度を活用して留学するパターンの2つが考えられます。それぞれのパターンについて、本文で詳しく検討をしていきましょう。

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2.海外の大学への直接留学

 まずは、海外の大学に直接留学するパターンを見ていきましょう。このケースでは滞在中はホームステイではなく、学生寮(ドミトリー)での生活を行っていくことが一般的です。メリットデメリット、そしてこれらを踏まえて私がオススメする留学方法について以下で紹介していきます。

1.メリットについて

 1つ目のメリットは言わずもがな、長期間を海外で過ごすことで身につけられる英語力と、ハングリー精神でしょう。これは高校での留学について検討したときも書きましたが、親元を離れ、日本語の通じない世界で4年という長い期間を過ごすことに、大きなメリットがあります。日本の大学とは異なり、海外の大学は非常に学習面でも厳しい場所です。そうした環境に身を置くことで得られるメリットには、計り知れないものがあります。

 そして、海外の大学には日本には存在しないような専攻分野が無数に存在しており、授業についても非常に幅広い内容を学ぶことが可能です。日本ではその分野を研究している人が数人しかいない、という分野であっても海外に目を向けることで、充実した教育を受けることが可能になります。

 これもよく知られていることですが、海外の大学を卒業している人は就職市場においての価値も非常に高くなっています。この理由は、前述した英語力とハングリー精神を企業が高く評価していることにあります。
 この記事を読んでいる方は「ボストンキャリアフォーラム」についてはご存知でしょうか。これは毎年ボストンで開かれる、アメリカの大学・大学院留学生のための就活フェアになっており、開催期間の間に日本国内の有名企業・外資系企業の採用選考を受けることができるというものになっています。日本国内での就職活動とは異なり、数日で内定が決まり、待遇も破格新卒で年収1000万円の募集もあるそう)のものになっています。
 こうした生涯にわたるメリットを享受することができる点が、海外の大学を卒業する最大のメリットと言えるでしょう。

 なお、前回の記事では単身で渡航することのデメリットとして、留学に失敗したときの精神的ダメージについて書きましたが、今回のケースではは高校での留学に比べて心身ともに成熟した状態で渡航することになるため、メンタル面でのデメリットが生じる可能性も小さくなっています

2.デメリットについて

 それに対するデメリット入学時に必要な英語力の高さと、費用面の2つになります。
 まず入学に必要な英語力ですが、一般的な4年制大学に入学するためにはIELTSで5.5以上、TOEFLなら72以上のスコアが最低でも必要で、これはCEFR B2相当、英検で言えば準1級以上のレベルとなってきます。さらに言えば、いわゆる名門大学に入学するためにはIELTS6.5~7.0、TOEFLは90~100のスコアが求められます。これは英検1級に匹敵する英語力と言えるでしょう。これを高校卒業時までに身につけることを考えると、決して容易ではないことが分かるでしょう。

 また、費用面も非常に厳しくなります。アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアといった人気の英語圏の大学に留学することを考えると、年間で500~700万円程度の出費が予想されます。もちろん、この数字は国によっても、進学する大学が公立大学か私立大学かによっても大きく変わりますが、大まかな学費と生活費の合計の目安にしてください。
 特にアメリカの私立学校は他の国より学費が高い傾向にあり、国内のほとんどの大学が国立・州立となっているオーストラリアは比較的学費も安くなっています。また、上述の国以外で、比較的安価に英語での高等教育を受けることのできる国として、香港・フィリピン・マレーシアなどが注目されており、近年ではこうした国々への留学も盛んになってきています。学費は日本の私立大学と同様に、学校ごと、学部やコースごとに異なっていることがほとんどですので、事前のリサーチが非常に大切です。

 生活面でかかる費用についても、国ごとの大まかな傾向としては費用のかかる順にアメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアですが、実際に住む都市によって物価等は大きく異なっており、一概にアメリカだから生活費は高い、とも言い切れない状況にあります。
 一例ですが、アメリカ南東部の州立大学に通っていた私の友人の話では、近隣住民や教会からの食糧と物資の支援が手厚く、生活費はほとんどかかっていないという日本では考えられないような状況でした。一方で私は僅か1ヶ月のイギリス(オックスフォード大学)留学中に、ちょっとした観光、本屋やデパートでの散財、ブランド品購入などで30万円ほどを使い果たしました……。
 ということで、留学先でどのような生活をするかによって、生活費は大きく変動することになりますので、このあたりは個人差が大きく出る部分となります。

3.オススメ留学方法

 しかし、こうした語学力のハードルと費用面のデメリットを抑えるための工夫はいくつもあります。この記事では、いくつか私が知っているテクニックを紹介致しますので、参考になれば幸いです。
 1つ目はアメリカの大学進学において、公立の2年制大学である「コミュニティ・カレッジ」を利用することです。アメリカの大学は日本の短大と大学のように、「2年制大学」「4年制大学」に分かれており、「2年制大学」は卒業後に「4年制大学」の3年生に編入することが目的となっています。
 当然ですが、米国においては一般的に「4年制大学」のほうが地位・レベルが高く、その分学費も高くなっています。例えば州立大学の最高峰であるUCLA(University of California, Los Angeles)なら留学生は英語力の要件としてTOEFLで100点・IELTSで7.0以上のスコアが求められ、学費と滞在費を合わせて年間7万ドル(約800万円!)の費用が必要になります。これが、同じカリフォルニア州のコミュニティ・カレッジであるDe Anza Collegeになると、英語力の要件はTOEFL61点・IELTSは6.0になり、年間費用は2万7千ドルと6割減となります。
 コミュニティ・カレッジから4年制大学に編入するルートでは、比較的低い英語力(英検2級Aレベル)で留学が可能で、留学中の2年間で英語力を一気に高めて名門大学で通用するレベルに上げることが可能な上、最終学歴は編入先の4年制大学の卒業になりますし、費用面でもこのケースでは2年間合計で500万円近く抑えることが可能です。詳細は以下のブログなんかを参考にしてみてください。

 もう1つは、安価に高いレベルの教育を受けることができること、後述する「ツイニング」というプログラムで他国の大学へ編入しやすいことから、近年注目が高まっているマレーシアの大学に進学するルートです。
 まず、オーストラリアのモナシュ大学イギリスのノッティンガム大学など、欧米の名門大学の分校がいくつも設置されており、Aレベル試験(イギリスの大学入学に必要な試験)を受けている必要こそありますが、高いレベルの教育を受けやすくなっております。
 また、「ツイニング」という仕組みは3年間の課程のうち、前半をマレーシアの大学、後半を提携先の海外の大学で学び、最終的に提携先の大学の学位を取得することができるというものです。ツイニング制度が充実しているTaylor’s Universityの場合だと、アメリカ・イギリス・オーストラリアの名門大学と提携していることがわかります(参考リンク)。法学部(Taylor’s Law School)ではマンチェスター大学・リーズ大学などのイギリスの名門大学経営学部(Taylor’s Business School)ではイギリスのブリストル大学、オーストラリアのクイーンズランド大学といった超名門で学ぶことが可能です。
 こちらもアメリカにおけるコミュニティ・カレッジと同様に、マレーシアの大学を足がかりにして、海外の名門大学を卒業することが可能になるシステムで、英語力の要件と費用を抑えることが可能になるので、海外大学への進学を考える際はぜひ検討してみてください。こちらも詳細は以下のブログをどうぞ。

 ただ、結論としては、英語力の面・費用面ともに非常に厳しいため、条件を揃えることが難しいということになります。しかし、この2つの面をクリアすることが可能であれば、海外の大学へのチャレンジは決して悪い選択肢ではないと考えています。

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3.海外大学への交換留学

 続いて、所属している大学の制度を利用して海外の大学への交換留学を行うケースを見ていきましょう。こちらのケースの場合では、半年から最大1年間の留学となることがほとんどで、留学先の大学の単位を単位互換という形で在籍校の卒業のための単位として取得できるパターンと、単位の互換は不可能というパターンに大きく分かれています。
 また、前者のパターンの派生系として、近年では海外の大学への留学を卒業の条件にしている学部や、海外の大学と国内大学の両方の学位を取得可能「ダブルディグリー」「デュアルディグリー」と呼ばれる制度を導入する大学も見られます(リンク先はほんの一例です)。

 こちらのケースの場合も、1年単位での留学になると語学力の向上やハングリー精神を養うことが期待できるでしょう。とくに、単位の取得が必須となる形での交換留学であれば、授業をしっかり受けて単位を取得する必要があるため、留学の効果は高くなるでしょう。
 また、費用面でも現地の滞在費用こそかかりますが、学費は所属している国内大学に払うため、抑えることができる点も大きなメリットです。

 しかし、英語力の要件については多くのケースで厳しい点は変わらないほか、提携校への交換留学の枠が非常に限定されており、学内での選抜が熾烈を極めるケースも非常に多いです。留学が卒業のために必須であるケースや、ダブルディグリー等の学位付きプログラムではそうした制約はありませんが、学費は相応に高い傾向があり、これもデメリットとなっています。

 もうひとつデメリットを挙げるとすれば、海外大学の学位が得られるプログラム以外では、最終的な卒業大学は日本国内の大学になる点です。就職市場などの国際性や競争力をアピールする必要のある場面では押しが弱くなってしまう可能性もあるという点で、海外大学への直接留学にこちらのケースは劣るように思えます。

 こちらは国内大学への単純な進学と海外留学の折衷的なプランであり、個人的な体験としては得るものも多いようには思いますが、海外大学に3~4年通って学位を得た際に受けられる、生涯に渡る恩恵にあずかることはできません。こちらのプランを選ぶならば、次回の記事でようやく紹介する、海外大学院への留学をオススメしたいと思います。

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4.おわりに

 今回の記事では大学学部段階での海外留学について、メリットとデメリットをまとめていきました。英語力と費用という非常に大きな要件こそありますが、これらをクリアすることが可能であるならば、海外大学への直接留学は非常に有力な選択になっています。これらのハードルを下げる方法についても簡単に紹介しましたので、合わせて検討していただければと思います。ただ、学費と滞在費を合わせ、年間で300万円程度は最低でもかかってくるため、一般的な国内の私立大学の倍程度は費用がかかると言えます。そのように考えると、依然として容易に選べる選択肢ではないと思います。

 もちろん、奨学金制度などもありますが、競争倍率が非常に高く、高校卒業レベルで自身をアピールできる要素(特技や語学力など、他の人とdistinguishされる要素)のある人は非常に少ないです。そのため、誰にでもオススメできるものではありません。

 次回以降の記事では、大学院での留学についてまとめていきますので、ぜひご期待下さい。

 

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