海外留学に最適なタイミングとは?①高校編【必要な英語力・費用も解説!】

海外留学
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1.はじめに

 ごきげんよう!椎名まつり(@417matsuri)です。いつもは英検の話題が中心のこのブログですが、今回から、何本か海外留学に関係する話題をブログ記事で提供していこうと思います。この記事から何本かに分けて、海外留学に最適なタイミングについて考えていきたいと思います。

 大まかに分けると、海外留学をするタイミングは大学以前(小中高校)大学(学部)大学院の3つに分けられますが、3つのタイミングでの留学を比較して、最適なタイミングはいつなのかを検討していきます。

 今回の記事では大学進学以前に留学をするという選択肢について考えていきますが、実は私が提案する最適な海外留学のタイミングは大学院進学時です。なぜ大学院で留学するのが最も良いのかについて理解するために、まずはこの記事を読んでいただき、英語力・留学費用・必要条件といった側面から大学進学以前の留学にどのようなメリットとデメリットがあるのかを把握してもらえればと思います。

 (最初は1つの記事で3種類を網羅するつもりだったのですが、気がついたらとんでもない長さになっていたので分割しました……)

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2.大学以前の留学の種類

 というわけで、今回の記事では大学以前に留学をするという選択肢について考えていくのですが、大学学部以降での留学に比べ、大学入学以前の留学には多くのタイミングやバリエーションが考えられます
 今回の記事においては、高校進学時・在学時に単身で留学をするケース保護者が海外に赴任してそれについていくケース交換留学などの制度を利用して1年間の留学を行うケースの代表的な3つのパターンを検討していきます。

 それぞれのパターンについて、制度などの仕組みを説明するほか、特有のメリットとデメリットがあるため、以下の項でそれぞれ説明していきます。

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3.高校進学時・在学時の海外留学

 まずは、代表的なケースであるところの、高校進学時・在学時に単身で留学をするというケースのメリット・デメリットを見ていきましょう。基本的には高校卒業までの期間を海外で過ごす、1~3年間の長期留学を前提に考えていきます。

 また、このケースでは日本の高校の制度は利用しない「正規留学」や「卒業留学」と呼ばれるケースを想定しています。この場合、学校等に付属する寮または、ホームステイでの生活を行うことになります。

1.メリット

 大学学部以上での留学に比べれば、比較的英語力が低くても留学を始めることができる上、長期間の留学であれば英語力の向上が期待できます。
 また、家族と生活しないため、地域や学校によっては日本語話者がいない環境において生活することのメリットを享受することができます。語学力の向上スピードが上がることはもちろんですが、言葉の通じない環境で努力をしていくことを通じ、コミュニケーション能力の向上やハングリー精神が養われるといったメリットが考えられます。

 また、海外の高校は国内の高校ではまず見られないような科目を学べるものも多く、大学の授業内容を先取りするようなアカデミックなものから、本格的な芸術や先進的なプログラミング教育などまで、幅広い内容を学習することができます
 進学する学校をしっかりと選ぶことで、日本国内にいては身につけることのできないスキルを早い段階から習得することが可能になる点も大きなメリットであると言えるでしょう。

 さらに、進学におけるメリットも大きいです。これについては後述しますが、海外の高校に通っていれば、現地学生と同様の基準でその国の大学・あるいは他の国の大学への進学をすることが可能になる点も非常に大きいです。

 なお、短期間の留学でも経験という意味では効果がありますが、語学力の向上や大学進学におけるメリットを考えた場合はほとんど効果がないと言えるでしょう。しかし、短期間の留学については後述するデメリットがほとんどないため、費用が問題でないのであれば、経験のために行うことも悪くはないでしょう。

2.デメリット

 では、このタイミングでの長期の海外留学のデメリットを検討していきましょう。まずは前提となる条件が厳しいということです。

 就学前・小学校の段階から海外で生活する場合は関係がないのですが、高校にいきなり留学するケースでは、必要となる語学力を留学当初に満たすことが難しいです。海外の高校で年齢相応のレベルの学習を受けるには、留学時にCEFRで言えばB1程度、英検なら2級相当の英語力が必要ですが、これは英検の基準では「高校卒業程度」の英語力であり、日本国内で普通に生活をしていて海外の高校への留学前にこの水準を達成することは厳しい部分があります。そのため、留学しながら英語力を授業を受けられるレベルまで伸ばしていく必要があります。
 語学力が大きく不足している場合、本来の(年齢に対応した)学年よりも下の学年で授業を受けなくてはならないなどの非常に大きなデメリットが発生するケースもあります(海外では「飛び級」があることで知られていると思いますが、当然その逆もあるわけです……)。
 もちろん、補習校や語学学校に通うことで留学中に語学力を高める方法がありますが、多額の費用がかかる上、学習面での負担も非常に大きくなってしまいます

 すでに何度も言及していますが、費用面は大きなネックであると言えるでしょう。もちろん大学以降の留学に比べれば費用は抑えられますが、アメリカ・イギリス・オーストラリアといった人気エリアの公立高校(Public School)に通うことを考えるのであれば1年あたり150~200万円の費用がかかってきます。
 さらに教育内容に力が入っているのは私立学校(Private School)になるわけですが、学費は高い学校も当然多く、アメリカの私立高校に生徒を通わせるとなると年間500万円近くかかることもザラです。
 なお、高校から海外留学をする場合、大学でも留学を継続することが一般的かと思います。そのため、保護者の方は「高校+大学」の総額で留学費用を計算しておく必要があるでしょう。長期間にわたる留学費用を確保できるかどうかは、非常に重要なポイントです。

 そしてもう一つ。これも当然のことですが、18歳にならない子どものうちに留学をするため、留学に失敗した場合に大きな精神的ダメージを負ってしまう可能性がある点にも注意が必要です。家族を伴っての留学では、心の拠り所となる家族が家にいるわけですが、単身の場合は困った際に頼れる相手や話をできる相手もおらず、「留学中は部屋に籠もって、ずっとスマホで日本の友人と話していた」というケースも時折見られます。
 多額の費用がかかるにも関わらず、こうした失敗をする可能性がある点においても、大学入学以前の段階での留学は難しいといえます。

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4.保護者と海外留学をするパターン

 続けて、保護者と海外留学をするパターンです。このケースは保護者の海外赴任などに伴うケースで、前項のケースと同様に留学が長期間にわたるため英語力の向上がかなり期待でき、国内大学・海外大学のどちらへの進学にもプラスに働くことが多いです。

 さらに、上述のケースのデメリットの多くを打ち消すことができています。費用面でも家族と同居になるため抑えられる上、子どもの精神的にも家族の存在は大きくプラスに作用します。もちろん、語学力のハードルはありますが、幼少期から海外での生活を送るケースではこの問題もなくなります。

 ただ、そもそもこれについては自分の意志で選ぶ留学ではありませんし、昨今話題になっている「親ガチャ」の結果であるとしか言えません。そのため、今回の比較対象としては不適当と言えるでしょう。運良くこうした留学の機会を得ることができたならば、ぜひ最大限に活かしてください!

 なお、年少時からの海外在住では、日本語を使う機会が大きく減るため、日本語の学習習慣・読書習慣が欠如していていると、同年齢の学生たちが当然身につけている日本語が出来ないという大きなハンディキャップを負う危険性もあります。
 日本語と現地の言語のどちらの言語も中途半端にしか理解のできない「セミリンガル」と呼ばれる状態になってしまうと、抽象的な内容や複雑な内容を理解することができず、高校・大学の学習において大きな障害となってしまいます。

 この時期の留学はメリットも多いですが、デメリットもあるため、保護者による家庭での教育が非常に重要になってきます。

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5.高校卒業後の進路について

 海外の高校を卒業した場合の大学進学についてですが、日本国内の大学進学においては「帰国生入試」などと呼ばれる、海外の高校を卒業した生徒を対象とした入試方式か、日本国内の学生と同様の方式での入試を選択することになります。「帰国生入試」は対象となる受験者が少なく、受験生の質が平均的に高いと考えられているため、有利に大学受験をすることが可能であると言われています。

 「帰国生入試」においては大学ごとに受験可能な学生の基準を設けていますが、概ね「入試から3年以内(高校在学と同時期)」に「通算2年以上」の留学をしていることを条件とするケースが多いです。そのため、帰国生入試での受験を考える場合は2年以上の留学が必要であると理解しておきましょう。
 もちろん、一般選抜と総合型選抜での大学受験も可能で、海外留学の経験をもとに総合型選抜での大学受験を行うことも有力な選択肢になるでしょう。

 「帰国生入試」においては英語と日本語の能力が問われるため、両方のスキルを伸ばしていく必要があります。高校在学中から準備を進めておく必要があるでしょう。

 そして、海外大学への進学の場合は、海外の高校を卒業し、同じ国の大学へ進学する場合はその国の基準で進学が可能なことがほとんどです。卒業時に日本の高校に在籍している場合は、改めて留学生として受験資格等を満たしていく必要があります。こうした受験に関する情報については国によっても異なるため、詳細は別途調べていただければと思います。
 ちなみに、英語圏の高校を卒業した場合は、同じ英語圏の大学であれば、別の国の大学に進学する場合においても英語力の条件(TOEFLやIELTSで一定以上のスコアが必要など)が免除になるなどの、有利な条件を得ることができます。

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6.交換留学等の制度を利用した留学

 最後に、交換留学等の制度を利用した留学を見ていきましょう。こちらは、海外の高校を卒業することを目的としないタイプの長期留学です。
 これには、高校が提携している学校に留学するパターンのものと、受け入れ先の国が認定した団体を通じて留学するパターンの2種類があります。どちらも似通った制度となっているので、この項でまとめて説明をしていきます。

 多くのケースで最大1年間程度の留学になり、留学中に修得した単位は「単位互換」という形で日本の高校で認定されるため、いわゆる「ギャップイヤー」が生じないケースが多いこともこのパターンのメリットです。
 そして、1年の留学となると期間的にも語学力をアップさせるには十分な長さと言えます。もちろん、その国の文化に親しみ、深く理解するには不十分な期間かもしれませんが、長期の留学経験があると胸を張って言える点では大学以降の進学や就職にとってもメリットになるでしょう。

 また、交換留学はその特性上、留学中の学費等が免除になるため、費用面でも私費留学に比べるとかなり抑えることができる点も大きなメリットです。往復交通費と滞在費のみの負担となり、約100万円で1年間の留学が可能になってきます。

 しかし、留学先の学校を選ぶことができず、学びたい内容が割り当てられた高校では学ぶことができない可能性がある点、競争倍率が高く、求められる水準が高い点は大きなデメリットです。
 また、帰国後に日本の大学受験を他の生徒と同じ条件で行う必要があるため、一般選抜での大学受験を考える際にはこの留学経験が受験にとっての不利益となる可能性が高い点も懸念するべきポイントです(総合型選抜・学校推薦型選抜を利用する場合はその限りではありません)。
 そして、所属している日本の高校が単位互換を受け付けない場合もあるので、事前に確認が必要です。ちなみに、単位互換ができない場合は1年間休学をして留学をするため、「ギャップイヤー」が生じることになります。

 結論としては、1年間の留学で良いという場合には有力な選択肢になりますが、競争を勝ち抜くことができる能力の高い方専用の選択肢でしょう。

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7.おわりに

 まずはこの記事で大学入学以前の海外留学についてメリットとデメリットをまとめていきました。もちろん早い段階での留学には大きなメリットがありますが、留学時に必要な英語力や費用面などにデメリットが多数あります。特に、私費留学では費用面の負担は大きく、高校から大学に続けて進学することを考えると数千万円の準備が必要となってくるため、一般的な家庭で私費留学を実現させることはは難しいように思えます。

 もちろん、奨学金制度などもありますが、交換留学のケースと同様に競争倍率が非常に高いため、能力のある生徒だけに開かれた選択肢になっているため、誰にでもオススメできるものではありません。こうした理由において、高校段階での留学は資金力か能力のない場合は成功させることが困難であると考えるほうが良いでしょう。

 大学の学部での留学についてまとめた以下の記事も是非合わせてお読みください!

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