国公立大学二次試験当日に迷子になった話【一橋大学受験体験談】

国公立大学二次試験当日に迷子になった話 雑記
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1.はじめに

 ごきげんよう!椎名まつり(@417matsuri)です。今回の記事は、国公立大学の二次試験に合わせて、私が母校である一橋大学の法学部を受験した際の話を書こうと思います。私の受験の失敗談は幾つかあるのですが、そのうちの1つを今日はお伝えし、受験を控えて緊張している高校生の皆さんの糧にして頂ければと思います。

 私は結構な方向音痴のため、恐らくこれから話すようなミスを皆さんがすることはないかと思いますが、気をつけたいポイントが幾つかあるので楽しく読んでいただければと思います!

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2.受験前日

 始めに、私についての話をするのですが、私の地元は関東圏ではないため、この地域についての土地勘はほとんどありませんでした。東京には旅行などで23区内を度々訪れたことはあったものの、一橋大学のある多摩地域には受験の前日まで、足を踏み入れたことすらありませんでした。

 受験の前日、地元から母親と上京してきた私は、東京駅から中央線に揺られ、初めて国立駅で下車をしました。そして一橋大学に向かって歩き、受験会場である国立キャンパスを初めて目の当たりにしたわけですね。道路を挟んでキャンパスが東西に分かれており、前日は関係者以外入構禁止となっていたため、残念ながら中に入ることは出来ませんでした。その場にいた在校生に話を聞くと、東側のキャンパスが法学部の受験会場になっているとのことで、東側のキャンパスを入り口の門から眺めることにしました。

 そこで思ったわけです。「ボロい」と。

 それもそのはず、私が受験をした東1号館と呼ばれる建物は大学の中でも古い方に部類される建物で、大学に対する第一印象が一気に悪くなってしまったのも仕方のないことです。地方から上京しての受験にありがちなことだとは思いますが、やはり事前にオープンキャンパスや大学祭に参加して、大学の雰囲気を掴んでおくことは非常に重要だったんだなとその瞬間は今更ながら思いました。

 その後、母親が調べていた国立駅近くのイタリア料理店「いたりあ小僧」で昼食を摂り、母親が「こんな素敵な店がある街であなたは大学生活を送るようになるのね」と気楽なコメントをしていました。なお、この「いたりあ小僧」には大学生活の4年間で数限りなく訪れることとなります。一人でサクッと美味しいパスタを頂いたのはもちろん、友人と夜遅くまで食後の紅茶を挟んで熱く語り合い、時には授業の打ち上げで先生と訪れてワインを飲みすぎたり、様々な思い出の詰まったお店です。国立駅へお越しの際は皆さんもぜひ寄ってみてはいかがでしょうか。好きなメニューはたくさんあるのですが、1つに決めるなら「バジリコ」を私は勧めたいです。

 話が脱線しましたが食事を終え、国立駅へ戻った私と母親は再び中央線に乗り、ホテルのある八王子駅へと向かいました。八王子駅は思っていた数倍も大きな駅で、「明日はここで迷子にならないように気をつけなくては……」と思ったのをよく覚えています。よく考えるとフラグだったわけですね。

 宿泊することになったホテルは駅のすぐ近くで、チェックインを済ませた後は駅に戻り、スターバックスでひたすらに確立漸化式の問題を問いて最後の仕上げを行っていました。ちなみに確立漸化式の問題は私が受験する年度までは10年間連続で出題のあった形式で、この問題は確実に出題される上に、この問題を取れば合格点を取ることは容易だと考えていたので様々な問題にあたって練習をしていました。あとは、あまりにやることが無くてこの月だけ「大学への数学」を買って問題演習していたので、その中からも数問演習をした記憶があります。

 夜についてはあまり記憶がありませんが、思っていたよりあっさりと眠ることが出来たことだけは覚えています。前日までに万全の準備をすれば、ぐっすりと眠ることができますよ!

 国公立大学二次試験前日の物語はここまでなのですが、すでに大きなミスがあります。それは、「当日と全く同じルートで学校の下見をしていない」ことです。本来ならば「ホテルを出発し、八王子駅から国立駅へ向かい、大学の下見をする」必要があったのですが、自宅を出発し、東京駅から国立駅へ向かい、大学の下見をする」という経路を取ってしまっています。後日になってから通っていた塾の先生に言われたことで、少し考えればあまりに当たり前のことなのですが、このミスによって私は試験当日にとんでもないことをやらかします。

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3.試験当日(1日目)

 さて試験当日です。ホテルの部屋で前日に買ったパンを食べ、八王子駅から国立駅を目指します。そこではたと気づきました。「昨日八王子駅から電車乗ってないからどこから行けばいいのか分からない……」

 よく考えると昨日は東京駅から国立駅、さらに八王子駅と来たので、東京方面に向かえば良いことに気づき、中央線の東京方面のホームへ向かうエスカレーターを降りていきました。慣れない駅、慣れない電車移動にビクビクする私ですが、一応乗換案内のアプリで数分後に電車が出発することは分かっているので、ホームで待とうと考えていました。

 そして東京方面のホームに降りると、既に電車が来ているではありませんか!昨日とはちょっと違う見た目の電車でしたがすぐに飛び乗り、出発を待つことにしました。そしてこれが悪夢の始まりだったのです。

 その電車は昨日見た電車とは異なり、通勤タイプではなくボックスシートの車両で、あまりお客さんも多くありません。それは朝が早いからかな。昨日の電車と違い、ドアの上の液晶モニターもありませんが、きっと古い電車も併用しているだけのことでしょう、と暢気なことを考えていると、ドアが閉まり、電車が動き出しました。

 そして次の瞬間、衝撃の事実に私は気づくのです。

 車内アナウンスの音声が「この電車は川越線直通、川越行です」と流れた瞬間に私は疑問を感じたのでした。そして、次の駅は「北八王子」という昨日は通っていないような名前の駅であることが分かり、自分が乗るべき電車を間違えた事に気づきました。

 そこからは大慌てで戻る方法をネットで調べだしました。しかし、北八王子駅から八王子駅に戻る電車は15分後で、そこから乗り換えていると入試の開始には間に合わないことが分かり、ひたすら自己嫌悪と絶望に包まれました。友人とお世話になっていた塾の先生、そして学校の先生たちの顔が走馬灯のように浮かび、自分の受験がこのような形で終わってしまうことを不甲斐なく感じました。八王子駅から北八王子駅までは5分間電車に揺られるのですが、その間が永遠に続くのではないかとさえ思われました。

 もう半分諦めた気持ちになりつつ、LINEで友人にその話をしたところ、心配や慰めの言葉と共に「タクシー使ったらどうなの」というアドバイスが届きました。

 私は一縷の望みをタクシーに賭け、周辺のタクシー会社の電話番号を調べはじめたところで、ようやく電車は北八王子駅に到着しました。そしてスマホの画面を見つつタクシー会社の電話番号を調べていると、ちらっと目に入った駅の広告の1つにタクシー会社のものを見つけました。

 震える手で電話番号を押し、電話をかけると、おじさんがすぐに電話に出てくれました。

 「もしもし、××タクシーです」

 「わたし、今北八王子駅にいるのですが、タクシーを一台お願いできませんか?(半泣き)」

 「北八王子ですか、ちょっと待ってくださいね……あ、今1台ちょうど駅のほうにいるみたいですよ」

 「そ、そうですか!!実は今日大学受験の高校生なのですが、乗る電車を間違えてしまって、もうタクシーに乗らないと間に合わないんです!!」

 「では、今いるタクシーには今から伝えますが、恐らく自分で行ったほうが早いと思いますよ。西口の方にタクシー乗り場があるので、急いでください」

 という電話があり、私は走ってタクシー乗り場へと向かうと、一台のタクシーがそこには止まっていました。急いでそのタクシーに乗り込み、一橋大学までと伝えました。

 「一橋大学ですか、どうされたんですか?」

 驚いた様子のタクシー運転手に経緯を説明すると、納得した様子で、

 「それでしたら一番近くの中央線の駅の、豊田駅まで行きましょう。そこから中央線で国立駅まで行くほうが、直接タクシーで行くよりも時間がかからないはずです」

 と車を飛ばしてくれました。運転手さんが何時頃に豊田駅に着きます、と教えてくれたので、その間に乗り換え案内を調べ、何とか集合時刻に間に合いそうだということが分かりました。ここでようやく絶望感や緊張感が和らぎ、自分が無事に受験できるという安心感が湧いてきました。

 車内では国立駅までの電車の乗り方や注意点を事細かに説明され、「快速以外の電車に乗ると通過するから、絶対快速に乗るんだよ」とか「国立駅は豊田駅からは3つ先だよ」とか「東京行きだよ、高尾行きは逆だよ」と、タクシーの運転手さんにはひたすら心配され続けました。

 その後は無事にタクシーが豊田駅に到着し、その時に偶然持っていた2000円の現金で支払いをし、改めて中央線に乗り、国立駅で降りて一橋大学の受験をすることが出来ました。しかし、朝に色々なことが起こりすぎて着いた段階でヘトヘトになっていましたが……。

 試験はというと、数学で予想していた確率漸化式の出題がなかったことを除けば上出来で、今となってはあまり記憶に残っていません。

 以上が試験当日の物語になります。大切なことはまず、来ている電車に飛び乗らないことですね。私はこの後、大学2年生のときにニューヨークの地下鉄でなんと夜中に同じことをやらかし、大変なことになりました。未だにこの癖は治っていません。落ち着いて行き先を確認してから電車に乗ることが大切です。

 そして、困ったら誰かに助けを求めることです。友人がタクシーと言わなければ恐らく私は受験を諦めていたでしょう。特に焦った場面では視野が狭くなってしまうものですが、そこで柔軟な視点を持つことが大切です。ちなみに助けのメールを送った塾の先生には呆れられました。

 偶然にも北八王子駅で私を待ってくれていたタクシーの運転手さんのことは今でも忘れることが出来ません。彼がいたからこそ私は一橋大学に合格することができたと言って間違いがないでしょう。

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3.おわりに

 そして翌日の2日目の試験に向かう際、危うく「特別快速 東京行」に乗りかけたのですが、タクシーの運転手さんの「快速に乗らないと通過する」という教えを思い出してすんでの所で2日連続の乗り間違いを回避することができました。

 今日は私の受験についての物語ということで、ブログを始めてから初めて雑記のようなものを書いてみました。いかがだったでしょうか。楽しんでいただけたなら幸いです。

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